見送りに快
「あ、道中魔物とかいっぱい出るかもだから、勝手に外出ないようにね」
……安全装置も万全だ。
「大魔女様~、やっとお会いする事が出来たのに、もう行ってしまわれるんですか~!」
「帝都直々のお呼び出しだしだからね~。ま、すぐ戻ってくるから」
『森が復活するまで我が家に いえいえ、私が経営する宿に いーや、大魔女様にはオラの腰を直してもらうまで付き合ってもらう!』
「はいはい、お土産持参で帰ってくるから、それまで待ってて頂戴ね」
『大魔女様~!』
「大魔女様、ではそろそろ……」
「お馬ちゃんはちゃんと言う事聞くんでしょうね」
「ええ。町一番の早馬を付けましたから」
「おっけ。じゃあ行きますか」
なんて素晴らしいプランだろう。派手な適を追及した座席。耐久力の高そうな外装には最新鋭のエンジンを二基も積み、口の達者なガイドが退屈しない用アトラクションまで用意してくれている。
「これは楽しい旅になりそうだな~!」
「あ、ちょっと端っこ詰めて。荷物置くから」
「よっこらせっと」
ドン! と大きな音を立てながら車内に詰まれた大量の品々は、見送りの方々が記念に下さった今までここで過ごした思い出の数々だ。
こんなにたくさん……感無量だ。よし、決めた。旅行の際は是非またこの会社のプランを使おう。
「いっとくけどこれ全部アタシのだからね。触ったら車輪の裏側に張り付けるから」
「ふふーん、またいっぱい貰っちゃったな~。水と食料は……よし、十分ね」
「後これと、これと、あっ、これ前から欲しかった奴だ~」
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